南北朝時代に開山した禅寺に生まれ三十四世住職として精進を重ねております。
曹洞宗を開基した道元禅師の教えからさらに遡りまして、世親と無着の唯識論を探究の核心としています。平等性智から大円鏡智を深める。妙観察智を集合意識創造の基底と捉える。妙所作智を単なる受動ではなく能動とみなして神通への道を将来に見据える。そのように自分と世界に向き合っております。
この世界の実相とはどのようなものか?人間の本来の姿とはどのようなものか?それを踏まえ人はどう生きるべきか?に取り組んでおります。あり方を天に向かって枝葉を広げる大樹とするなら、幹は唯識論となります。本来の自分と自我、それは別物です。しかし、欧米の考え方とその影響を受けている現代の日本においては、自我=自分と何となく受け止めて、表層的自我に振り回される自分を、ありのままで良いとしていることが多いようです。しかし、そのような捉え方では深みにかけます。慈愛の思い、懐かしさ、美しいもの、真のおかしみ、知的な好奇心、それらに触れて魂を磨くには、本当の自分とは一体どのような存在なのかについて探求の道を進まなくてはなりません。
私は40代まで外資系コンサルティング会社の共同経営者を努めていました。
現在、住職であると同時に経営コンサルティング会社を経営しております。大規模システム開発プロジェクトのマネジメントやAI(人工知能)技術の適用を手掛けています。また、地域活性化の一環として産業ドローン事業を推進しており太陽光発電所のパネル点検を自ら実施しています。
人間は多層的な次元にまたがった存在です。この物理的な次元に大きく軸足を置いている意義を十分に噛み分けて生きる意味を深め、納得感の高い人生を多くの人が送れるようになることを願うものです。令和3年初から世界は大きな変革の時代に入るものと考えます。政治的にはアメリカ発の動きが”黒船”となって日本のあり方を大きく変えていくでしょう。そして人々の生き方にも政治だけでなく、経済・医療・教育など様々に変革は波及するものと思います。そんな激動の中で本当の自分をしっかり見据えて魂を磨いていくことを、皆様方のご指導の元、進めることができましたらたいへんに幸甚なことでございます。
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